おはしゃー日記

適当なことをゆるーく書き連ねます。

かるかん饅頭おいしい

空腹になると吐き気がしてしまう、悲しき業を背負っている。
対策として、ちょっと食べられるようなものバッグに入れてるんです。いつも。どうやら胃酸過多の症状らしいんだけど。
今日は実家(徒歩圏)に帰ったら、かるかん饅頭をもらえたので、明日はそれを持って出かけようと思う。

ちなみに明日は友人の結婚式に参加する。
当然ながらバッグは小さく、サブバッグを使う気もないので、かるかんはコートのポケットにインすることになる。


で、小腹が空いたからとかるかんを取り出そうとして、うっかり落としてしまって。
その丸みを生かして転がってゆく、薩摩銘菓・かるかん。
「落としましたよ…あ、これって」と、かるかんを拾い、少し驚いたように目を見張る男性。
ありがとうございます、と少しほっとしながらかるかんを受け取ろうとしたら、
「かるかん、おいしいですよね。僕これ好きなんです」と、満面の笑みを向けられて。
なんて素敵な笑顔なの!とドギマギしてしまった。
笑顔がいい人っていいですよねえ…
かるかんは、いつもより甘く感じました。


それから2週間後。
祖母のおつかいで、新宿京王百貨店で開催される九州の物産展へ。
さつま揚げも大村寿司も買ったし、九十九島せんぺいもいきなりだんごもゲットして、あとはかるかんだけ。

混み合う催事会場で、ああ早く帰りたいななんて思いながら、ようやくかるかんのお店にたどり着いたら。
「あっ、あなたは」ってこっちを見つめてくる人がいるんだよね。
正直、なんだこいつって思って無視しようとしたんだけど、なんだか見覚えがある。気がする。

「かるかん、本当にお好きなんですね。この間あなたのかるかんを見てから、僕も食べたくなっちゃって、つい買いに来ちゃいました」なんて、少し照れたように笑う彼の目尻の皺を見て、思い出した。
かるかんを拾ってくれた人だ。
あのくしゃっと笑う、どこか困ったような優しい顔。間違いない。かるかんの君とでも呼ぼうか。

どちらからともなく雑談をし始めたら、すごく気が合うことが判明して。
次の週末、新宿高島屋の北海道物産展に行くことになった。
そこで買うものもほとんど同じで、私たち好みがぴったりだねって驚き半分、なんだかうれしくなっちゃった。

それから何回か会ったんだけど、お互いのおすすめが、お互いのツボにハマるんだよね。不思議だけど。
自分の世界を壊すことなく、世界が広がる感じって言うのかな。
満たされていくような幸せを噛み締めてたら、彼が「なんかすごい幸せだなあ」ってしみじみとつぶやいて。
こんなところまで同じなの?と思ったら、なんだかおかしくなっちゃった。

気がついたら、恋人同士になっていて、もうすぐ1年経つ。
かるかんで結ばれるなんて、運命って不思議だなあって思うんだよね。
人生何があるかわからないって、こういうことだよねえ。
あの時かるかんを持っていなかったら、彼に出会えてなかったと思うと、ほんとに不思議。かるかん様々だよね!

…というようなことをしたいので、かるかんはコートのポケットに入れて出かけるからよろしく。


もし、万が一だけど、かるかん落とさなかったら。かるかん好きな人に出会わなかったら。

その時は私、かるかん食べながら池袋駅で乗り換えするわ。
で、JRの改札抜けたところで若い男性にぶつかられて、かるかん落とすわ。
昔の少女漫画の、遅刻しそうな女子がくわえてるトーストのポジションにかるかんをINするから。

あー!私のかるかんっ!ってショックを受けるけど、池袋駅は全国TOP3に入る乗降客の多い駅。
かるかんの敵の男は、あっという間に人混みに紛れて、見失ってしまうんだよね。
哀れかるかん、池袋に死す。

がっくりと肩を落として式場へ。
合流した友人たちに心配されちゃった。こんなんじゃだめだ。
だって私、今日は受付を任されてるんだもの。
いつまでも落ち込んではいられないよね。

そうして気持ちを切り替えて、受付をしていたら。
現れたんです、私からかるかんを奪った男が。
思わず、叫んでしまったよね。あーっ!あんたは朝の!って。
まったくもう、我ながら、漫画じゃないんだから。
向こうも私に気づいたみたいで、申し訳なさそうな顔で会釈してから、会場に消えて行った。
受付の順番待ちをしている人たちが何人かいたんだけど、何事かとこっちを見てたよ。恥ずかしい。
でも、かるかん、本当に悲しかったんだよ…

まぁ、そのあとは友人の結婚式に集中。いい式だったなあ。
その後、二次会に移動した友人たちと中学時代の思い出話とかおしゃべりしてたら、かるかんの敵の男が近づいてきて。
「あの、今朝の。お饅頭、すみませんでした。俺急いでて、周り見えてなかったみたいで…」と謝ってくれた。
そのすまなそうな顔を見たら、なんかこっちがいじめてる気分になってきて、もういいやって思った。
お饅頭って言い方も、妙にかわいいし。
怒ってたのがバカらしくなっちゃって、もう怒ってないですよ、気にしないでください、って言った。
「よかった…!朝、ちゃんと謝れてなかったから、気になってて」とほっとしたように頬を緩ませた笑顔が、これまたかわいいんだ。ずるいなあ。

あんまり気にされても面倒だし、ほんとに気にしてないんでってその場を離れようとしたら、
「申し訳ないから、今度おいしいものごちそうさせてください。お饅頭がいいですか?おすすめの和菓子屋があるんです」って。
最近おいしい和菓子屋さん探してたから、ついその提案に乗ってしまったのが始まり。

いつからか会うのが当たり前になっていて、いっしょにいるのも楽しくて。
お互いを恋人と呼ぶようになるのも、自然なことだった。

あの時かるかんを失ったけど、得たものは大きかったなって思う。
でも、彼はいまだに気にしているのか、時々かるかんを買ってきてくれる。
もう怒ってないって何度も言ってるのに、それじゃ彼の気がすまないからって。
そんな時、私はいつも、律儀すぎる彼に少し呆れつつ、彼との縁を結んでくれたかるかんに感謝してる。
いろんな偶然が重なって、出会えたこと。いま彼といられること。
その全てを大事にしたいなって思ってる。
ありがとう、かるかん。おいしい。



みたいなこと本当に起きたらいいなって思うので、忘れずにかるかん持ってく。
とりあえず今日はいい加減寝る。